マランツオリジナルのClass Dアンプモジュール搭載ハイエンド・マルチチャンネルパワーアンプ
Key Features
新世代のマランツデザインを纏う高剛性ハウジング
伝統的なデザインエレメントを受け継ぎながら、現代的な解釈により生み出された新しいハウジング
マランツオリジナルの Class D パワーアンプモジュール
パーツの品種や定数だけに止まらず、回路構成までも独自にカスタマイズした専用設計のアンプモジュール
バイアンプドライブ&BTL 接続に対応
中高域と低域を個別に駆動するバイアンプドライブと 400W(8Ω)のハイパワーを出力可能な BTL 接続に対応
ハイスピード、ハイパワー、ハイクオリティを兼ね備えた電源回路
Class D アンプ回路と、小信号を扱う入力段のそれぞれに専用の電源回路を用意
HDAM-SA2 インプットバッファー回路
ハイスルーレートで低ノイズ、そして安定した機器間、回路間の信号伝送を実現
バランス&アンバランス入力端子
プリアンプとの接続に使用するケーブルに合わせて切り替えられる XLR&RCA 入力端子
オリジナルスピーカー端子
SPKT1+ MODEL 40n にも使用されているハイクオリティな真鍮削り出しスピーカー端子
新世代のマランツデザインを纏う高剛性ハウジング
AMP 10 には、2020 年に発売された「MODEL 30 / SACD 30n」、および 2022 年 3 月に発売された「MODEL 40n」と同様に、新世代のマランツを象徴する筐体デザインが与えられています。これは、シンメトリーやポートホールに代表されるマランツの伝統的なデザインエレメントの継承と現代的な解釈による再構築を経て、これからのマランツを象徴するまったく新しいデザインとして生み出されたものです。印象的でありながら、様々なスタイルのインテリアに調和する普遍性を兼ね備え、住空間にオーナーの個性を反映させる、これまでにないオーディオのデザイン。それが新世代のマランツデザインの目指したものです。そして、新しくなったのはデザインだけではありません。デザインの刷新に伴って機構設計の見直しが可能となり、トップカバーやシャーシを構成する鋼板の形状や各部を固定するネジの太さや本数を最適化することにより、ビルドクオリティも大きく進化しました。3 層構造のメインシャーシや肉厚なアルミを用いたフロントおよびサイドパネルにより剛性を高め、振動の影響を効果的に抑制しています。
マランツオリジナルの Class D パワーアンプモジュール
AMP 10 は、1 つの筐体の中に定格出力 200W(8Ω)/400W(4 Ω)のパワーアンプ回路を 16ch 分搭載しているため、15.4ch プロセッシングに対応する AV プリアンプ「AV 10」との組み合わせでは 15.4ch のシステムを構築することができます。従来のアナログアンプでは困難であった大出力、多チャンネル、そして高音質なパワーアンプを設置しやすいサイズの筐体に収めるという課題を解決するために、AMP 10 では Class D 方式のパワーアンプを採用しました。この Class D アンプモジュールは、使用するパーツの品種や定数だけに止まらず、回路構成までもマランツが独自にカスタマイズした専用設計のアンプモジュールとなっています。もちろん部品の選定においては、サウンドマスターと音質担当エンジニアによる試作、試聴が繰り返され、AMP 10 のパフォーマンスを最大限に引き出せるようメルフ抵抗や薄膜抵抗、コイル、コンデンサーなど、多くの高品位なパーツが厳選されました。マランツのホームシアター向けのマルチチャンネルパワーアンプに Class D アンプが採用されるのは初めてのことですが、マランツは既に「PM-10」や「MODEL 30」などのステレオプリメインアンプを始めとする、様々な製品で Class D 方式のアンプを採用しており、その回路設計や音質チューニングについて十分な経験とノウハウを蓄積してきています。特に AMP 10 においてはパワーアンプへの電源の入力および、パワーアンプの出力からスピーカー端子までの経路にワイヤーを使用せず、真鍮製のバスバーを採用しました。これにより、大電流をハイスピードに伝えることが可能になり、組み立て精度のばらつきによって起こるチャンネル間の僅かな音色の差異も排除することができました。さらにこのパワーアンプモジュールは、日本国内の自社工場「白河オーディオワークス」において、基板へのパーツの実装から製品への組み込みまでを一貫して行うことにより、優れた品質と安定したパフォーマンスを実現しています。
バイアンプドライブ&BTL 接続に対応
AMP 10 のパワーアンプ回路は 2ch ごとにモジュール化されており、すべてのモジュールが同一構成、同一クオリティとなっています。そのためチャンネルごとの音色、特性のばらつきがなく、シームレスで立体的ななサラウンド空間を美しく描き出すことができます。そしてモジュールごとにリアパネル上のスイッチでノーマル、バイアンプ、BTL の各モードを切り替えることができるため、接続するスピーカーの構成に応じて柔軟な設定が可能です。バイアンプおよび BTL モードで使用する場合は、プリアンプからの信号は奇数チャンネルに入力してください。バイアンプ接続では、バイアンプ対応スピーカーの中高域用端子と低域用端子に、別々のアンプを接続します。これによりウーファーの逆起電力がミッドレンジ・ドライバーやトゥイーターに流れ込んで中高域の音質に影響を及ぼすことがなくなるため、より高音質な再生が可能になります。BTL 接続では、2ch のパワーアンプを使用して 1 つのスピーカーを駆動します。1 つの入力信号から生成した互いに逆位相の信号を、2ch のパワーアンプを使って出力することにより、ノーマル接続よりも大きな出力が可能です。AMP 10 は、BTL モードでは 1ch 当たり 400W(8Ω)の出力が可能で、すべてのモジュールを BTL に設定した場合は 8ch のパワーアンプとして使用することができます。
ハイスピード、ハイパワー、ハイクオリティを兼ね備えた電源回路
5ch 同時出力時でも定格出力の 200W(8Ω)を保証する AMP 10 の電源部には、パワーアンプが要求する大電流を瞬時に供給する能力が求められます。もちろんハイエンドモデルにふさわしい高音質も同時に達成されなければなりません。そこで、スピーカーを駆動するための大電流を必要とする Class D アンプ回路と、小信号を扱う入力段のそれぞれに専用の電源回路を用意することで、スピード、パワー、クオリティのすべてにおいて妥協のない電源回路を実現しました。 Class D アンプ回路用には極めて安定度が高く、スピードと効率に優れたスイッチング電源回路を使用しています。この電源回路は、オーディオ帯域外の高い周波数で高速にスイッチングを行うため、音声信号に影響するノイズが極めて少ないことが特長です。この電源回路についても、もちろん入念な音質検討が実施されており、高品位な電解コンデンサーなどグレードの高いパーツが投入されています。一方、入力段への電源供給にはアルミ製のケースに封入された OFC 巻き線トロイダルトランスやショットキーバリアダイオード、カスタム仕様のブロックコンデンサーなどハイグレードなパーツを贅沢に使用した電源回路を使用しています。さらに、入力段の HDAM-SA2 への電源供給は、パワーアンプモジュール内に設けたディスクリート電源回路によって行い、クリーンかつ高品位な電源供給を実現しています。
HDAM-SA2 インプットバッファー回路
AMP 10 のバランス、アンバランス入力端子にはそれぞれマランツ独自のディスクリート高速アンプモジュール HDAM-SA2 によるインプットバッファー回路が搭載されています。HDAM-SA2 はハイスルーレートで低ノイズというインプットバッファーとして理想的な特長を備えています。このインプットバッファーによって入力信号を低インピーダンス化し、ノイズの影響を最小化しています。さらに、HDAM-SA2 はアンバランスの入力信号をバランス信号に変換する反転アンプと Class D アンプ回路の入力部にも使用されており、ハイスルーレートで低ノイズ、そして安定した機器間、回路間の信号伝送を実現しています。
バランス&アンバランス入力端子
16ch すべてが同一グレードの、バランス&アンバランス入力端子を備えています。プリアンプとの接続に使用するケーブルに合わせて切り替えスイッチを操作してください。アンバランス入力には Hi-Fi コンポーネントにも使用されている真鍮削り出しの高品位な RCA 端子を採用してお り、バランス出力とアンバランス出力のクオリティ差もなくしていま す。端子の間隔も十分に確保されており、プラグの太い高級ケーブルも使用することができます。
マランツオリジナルのスピーカー端子 SPKT-1+
スピーカー出力にはマランツオリジナルのスピーカーターミナル「SPKT-1+」を装備。これはプリメインアンプの大ヒットモデル「MODEL 40n」にも使用されているハイクオリティな端子です。コア部は真鍮の無垢材から削り出された堅牢なもので、表面処理はリスニングテストの結果、従来のニッケル下地+金メッキの 2 層ではなく、厚みのある 1 層のニッケルメッキを採用しています。直径 4.5mm までのケーブルに対応しており、大型のスクリューで確実に固定することができます。また、Y ラグ、バナナプラグにも対応しています。スピーカー端子をしっかりと締め付けられるように専用のスピーカー端子用レンチも付属しています。このレンチはマグネットを内蔵しており、不使用時はリアパネルの空いたスペースなどに固定することができます。
レベルメーター
フロントパネル中央のレベルメーターは、チャンネル 1 の信号入力に応じて動作します。フロントパネル左下のボタンでオフにすることもできます。
イルミネーション
フロントパネルの左右に明るさを 4 段階で調節できるイルミネーションを備えています。プロジェクターの使用時など、部屋を暗くしたい時にはオフにすることもできます。
アンプコントロール端子
AV 10 と接続して電源オン/スタンバイやディスプレイ明るさを連動させることができるアンプコントロール端子を装備しています。AV 10 は、2 系統のアンプコントロール端子を装備しているため、同時に 2 台の AMP 10 と接続することができます。AV 10 と AMP 10 の接続はアースループを作らないグラウンド・フローティング接続とし、音質への悪影響を抑えています。
カスタムインストールに対応するコントロール端子
カスタムインストールに対応する RC-232C 端子や IR フラッシャー入力、DC トリガー入出力端子を装備しています。
その他の特長
オートスタンバイ機能(15 分) / 着脱式電源ケーブル